Q. バッハ無伴奏チェロ組曲 第5番の楽譜,Scordaturaと通常調弦の 2種類で構成した理由は
A. 第5番は Scordatura で弾くべきですが,調弦を変えないで弾きたくなる時があるから
過去,バッハ無伴奏チェロ組曲の楽譜は,Maurice Gendron,János Starker,Enrico Mainardi校訂版を使ってきました
モーリス・ジャンドロン版は数曲弾いて手放しました
シュタルケルとマイナルディ版は全曲弾き,今も手元にありますが,どちらも 5番は通常調弦で弾く運指になっています
2年ぐらい前にバッハ無伴奏チェロ組曲に再取り組みする際,Mainardi校訂版でやり直して,5番は Scordatura にして弾いていました
Anna Magdalena Bach の手書き譜を転記して,「Cello Tab」スコアを Scordatura で作成した後,思い付きで通常調弦の場合の「Cello Tab」スコアも作ることにしました
5番は Scordatura で弾くべきだと思っています
G線の音の響きが別物になり,Bachが開放弦を想定したはずの重音もそのまま弾けます
ですが,A線を Gまで下げると,しばらく音程は安定せず,5番以外は弾けなくなるので,気楽に Scordatura には出来ず,かつ,時々,無性に 5番の曲が弾きたくなる時があるので,勢いで通常調弦の「Cello Tab」スコアを作成しました
作成の際に決めたルールは「音符の増減はしない」ことでした
通常調弦で響きを確認して運指を変更しているので,通常調弦で出せなくなった 1弦の音だけでなく,他の部分にも手が入っています
重音は親指使用と時間差弾きで対応しましたが,1点だけ,演奏が難しい箇所があります
Courante 13小節 1拍目の G3の同音の重音,通常の調弦では( 2弦 第3ポジション - 3弦 第7ポジション)になります
私の手の大きさでは親指が伸ばした状態になり,弦と触れる部分のコントロールが難しく,音程が安定しません
それから,「Cello Tab」スコアの 4弦のところに (1) とあるのが見えるでしょうか
これは,Anna Magdalena Bach の手書き譜では,実音ではなく,通常調弦の 1弦の位置を押さえた場合の音が記されていることを意味しています(要は実際に演奏する音ではなく,1音上の音が楽譜に書かれています)
5番の「Cello Tab」スコアでは該当する音には (1) を全て付けています=ある意味,狂気
Scordatura をネット検索すると,その記譜法として同様のことがヒットしますが,私は馴染めないです
境界線の音が楽譜に書かれていたら,それをどちらで弾くのか,当時の演奏者は瞬時に判断できたのでしょうか
A.M.Bachさんの手書き譜も,1弦の音域が実音よりも上げて記譜されているだけでなく,2弦の音域もそうなっている箇所が複数あり,書き写す際の間違いを併発している印象です(Gavottes 18, 22, 28小節 / Gigue 49小節)
というわけで,時々,5番の曲(特に GavotteⅡとか,Sarabande)が弾きたくなるので,通常調弦の楽譜も同梱しました

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